その先へ

在ニューヨークの金融マンが語る、(下らない)日常と雑感。そこには勝利も栄光もなく、ただ日常があるだけです。

ニューヨークの、来ない地下鉄

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外国に来てみると、特に住んでみると、慣れるまでは日本との違いに悲観することも多いかと思います。でも、大体のことは良い面と悪い面が両合わせになっていて、慣れると「こっちも悪くないかも」と思うことも多いのではないでしょうか。

 

 

そんな中で、恐らく世界中の人が絶対に慣れることはない、ニューヨークの悪癖とも言える点をご紹介したいと思います。

 

それは、「来ない地下鉄」です。

 

海外の電車は時間通りには来ない、とよく聞きますが、ニューヨークの地下鉄ははっきり言ってそういうレベルではありません。ここの地下鉄にも一応、時刻表はあるようなのですが、そんなものは最初から存在してなかったと思って行動しないと危ないです。

特に夜間と週末はひどくて、勝手に間引き運行したり、東京で例えるなら「銀座線のホームにいたら半蔵門線が入ってきて、乗ってみたら(東西線の)西葛西駅に連れていかれた」みたいな事が平気で起こります。

 

(※B、Dトレインしか止まらないはずの駅に、Cトレインが停車している実例)

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ここまででも信じがたいと思いますが、さらに驚くのが「駅員に聞いても正確なことは把握していない」という事です。

私も何度か駅員に、一体どうなっているんだ? いつになったら地下鉄が来るんだ? 次に来る地下鉄はどこを経由してどこへ向かうんだ?と聞いた事がありますが、大体、

① I don’t know(分かりません)

② Ask a conductor(車掌に聞いて下さい)

③ 間違ったことを適当に言われる

 

のどれかなので、最近は聞くことすら止めました。これに食い下がって更にしつこく聞くと、 

 

 ④ 逆ギレされる

 

となるので、これ以上聞くだけ無駄なのです。

 

でも、ここで裏技(?)をご紹介します。

来ない地下鉄についてははっきり言ってどうしようもないですが、来た地下鉄がどこへ行くのかは②の「車掌に聞く」が非常に有効です。車掌だけが、正確な停車駅と行先を知っています。

 

ニューヨーク地下鉄の車掌は、列車最後尾ではなく、電車の真ん中くらいにいます。

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地下鉄が停車すると色んな人が同じ目的で話しかけているので、あまりダラダラ話しかけると途中から無視されますので、「Are you going to ●● Station?」くらいにかなり的を絞って話かけると良いと思います。向こうも、Yes、Noで簡潔に教えてくれることでしょう。たまに(まれに)親切な車掌さんだと、そっちのホームのナニナニ線に乗って!とか教えてくれることもあります。でもその教えてもらった電車がいつくるのかは、これまた誰にも分らないんですけどね…。

 

では車掌にNoと言われたり、地下鉄は来ないけどいい加減移動したい時はどうすればいいのかというと、バスか、タクシーかUberに乗るしかありません。いつ来るか分からない地下鉄を待つか、いくらかの出費を覚悟して他の交通手段に頼るしかないんです。

 

個人的な経験では、マンハッタン内の移動であれば、赤の1、2、3番線、緑の4、5、6線の駅のホームには電車の接近案内があり、30分待っても何もこない、ということは非常に稀です。

一方、私がよく利用するB、C線は最悪です。平日でも大幅遅延、予告なしの間引き運行は当たり前で、雪の降る日なんかはバスに乗る方がまだ時刻が正確なくらいです。

 

世界随一の経済都市、ニューヨークでなぜいまだにこんな事が放置されているのか全く理解できません。調べてみると、ニューヨーク地下鉄の運行システムはいまだに80年前のものを使っているからだとか色々な理由が出てきますが、郊外電車であるメトロノースは比較的正確に運行されているので、この地下鉄の体たらくは本当に残念な限りです。