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在ニューヨークの金融マンが語る、(下らない)日常と雑感。そこには勝利も栄光もなく、ただ日常があるだけです。

アメリカで手術をする②〜診断編

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そして、とうとうDr.Aの診察の日がやってきました。

アメリカの病院はどこもホテルの様です。 

 

 当日、指定された病棟の受付でチェックインをすると、まずはレントゲン室に通されてレントゲン(英語ではX-Ray)を何枚か取られました。

その後、Dr.Aの部屋に通されレントゲン数枚を見るなり、「あ~」という感じで、「で、どうしたいの?」と言うではありませんか。

 

 

実はその昔、日本のいくつかの大きな病院でも診断を受けたことがあったのですが、日本の医師たちからは「正直あまりやりたくない」と言われていました。

曰く、放っておいても命に別状はないし、この位の年齢(30台後半)になって頑張って切ってもどの程度の効果がでるか分からないからやりたくない、とのことでした。

 

 

翻ってHSS。日本の医師たちからは暖簾に腕押しというか、ほぼ明確な拒否姿勢を取られていたので若干卑屈になっていたところもあったので、「え~っと…、もし切って少しでも症状が改善するなら、ぜひ切りたいんですが…」と伝えてみると、「We can do! You will get better at least from now! (できますよ!そしてやれば、今よりはマシになる!)」の一言が!

 

「じゃあ、やろうか! いつやる?」とまるで飲み会をセットするようなノリで手術の日程を決めていくことに。

「それなら早い方がいいねー。再来週?ここならさっき手術室が空いたからOKですよ」、「あ、じゃあそれでお願いします」、「了解、じゃ、詳細は秘書のリンダに聞いてね。じゃ!」と、ものの5分で出ていきました…。

 

手術を引き受けてくれることは決まったけど、一体、何週間入院しなくてはいけないのか(※渋っていた日本の医師たちは、「やるなら2週間くらい入院してもらうことになるからねぇ~、君そんなに仕事休めるの?(=休まなくていいよ!)」という感じだったのですが、これをDr.Aの秘書リンダに聞きにいくと、「は? こんなのOne Day-surgery(日帰り手術)よ。24時間を超えると1泊扱いになり保険会社がうるさくなるから、23時間で退院させて“日帰り手術という建付けを取るの”」とのこと。

 

なんか、超高額医療費社会が成せるメチャクチャ合理的なシステムですね…。オペして、血が止まったらさっさと出てけってか。。

 

ちなみに秘書のリンダには最も大切なことを質問しました。「この手術には総額いくらかかるんですか?」 

彼女の答え→「I don’t know! そんなもん、保険会社次第よ!」

 

そうだそうだ、いつぞやの歯科治療の回にも書きましたが、アメリカの医療は完全自由診療でした。医師の時給、スタッフのコスト、手術室を借りる時間、麻酔の値段などそれぞれ異なる値段を足し合わせていったものが、私の手術/入院代になるようです。もちろん、事前検査で色々な先生に「丁寧に」調べて頂く費用ももれなく上乗せしてゆかれます。

その総額プランを一旦保険会社に提出し、これはいいけど(=保険代を出すけど)これはダメ(=保険代は出さない)とか事業仕分けをされて、最終的な手術/入院プランが決まっていくそうです。幸いにも私はそこそこ大きな会社の保険に入っていたため、ほぼ全ての手術プランが認められたようでした。