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在ニューヨークの金融マンが語る、(下らない)日常と雑感。そこには勝利も栄光もなく、ただ日常があるだけです。

アメリカで歯科治療③~セカンドオピニオンと治療編

という訳で翌日、ミッドタウンにある、とある歯科医院へ行きました。

 

受付はスペイン語のアクセントのある女性でしたが、診察室からは明らかに日本語が聞こえてくるため、あぁやはり日本人医師だったと一先ず安心。待っている間に、ながーーい問診票を記入します。

こちらでもレントゲンを撮り、それを基に診察してもらうと、「あ~これはダメですね。神経関連から来る痛みだと思うので、ウチのような一般歯科では治せません。Endodontistに行って診て貰って下さい」とのこと。

 

まじっすか…と思いつつも、「もう痛くて痛くてどうしようもないんです。今からまた1からEndodontistを探していると時間もかかるし、どこか紹介して頂けませんか?」と言うと、「上階に提携しているEndodontistがいますよ。貴方の保険も受け付けているところだし、今からすぐ診て貰えるように連絡しますね」との有り難いお言葉が。昨日の歯科ではこのプロセスで放置されましたが、こちらの歯科ではちゃんと電話して予約を取ってくれました。

 

そして、すぐに上階に行ってまたながーーい問診票を記入して待っていると、診察室に通されました。レントゲン写真は先ほどの歯科医院からEメールで送られてきていたので、それを見るなり、「これは、ここで治療しても意味がないですよ。いま治しても、何年後にはまた爆発するので抜いてしまって下さい」との事。

Endodontistって顕微鏡使ったりCTスキャンを使いながら診断するんじゃないのかと思いましたが、YelpやZocdoc(という病院の評価と予約ができるサイト)のレビューを見てもかなり高得点な先生だったのでまぁ間違いはないだろうと思い、じゃあ抜いちゃって下さい、と伝えると、「ウチは歯を抜くという治療はしない。専門医のところに行って下さい」とのこと。マジっすか、もう1件行くんですか…。

 

幸いにも、提携先のOral and Maxillofacial Surgeon(これは”口腔顎顔面外科”というこれまた専門医だそうです)で「貴方の保険を受け付けている」(ここがポイント!)医院がすぐに診てくれるそうだけど、行ってみる?と言われたのでYesと即答しました。

 

2kmほど離れているその医院にタクシーで向かい、診察を待つ間にまたながーーい問診票を記入します。しばらくすると診察室に通され、マイケル・ムーア監督にソックリな巨体の歯科医(外科医?)が入ってきました。EndodontistからEメールで送られてきているレントゲン写真を見るなり、「で、何でウチに来たんだっけ?」と物凄い迫力でおっしゃるではありませんか…。

いや~、Endodontistからこの歯は抜いた方がいいと言われたもので伺ったのですが…と恐縮しながら伝えると、「OK、抜こう! 費用の説明は受付のジェニーからするから、また後で!!」と豪快に去ってゆきました。流石は外科医、豪快かつ単純明快です。

 

しばらくするとジェニーが入ってきて、「貴方の保険のプランだと今日の抜歯は$220で、後日、保険会社から80%の還付があるけどそれでいい?」と聞かれ、OKと伝えるとまずはここで料金を支払ってくれと言われます。これも流石はアメリカ、治療を受けた後で払わない人がいるんでしょうね。クレジットカードを渡し(※アメリカの病院は大体クレジットカード払いを受け付けてくれます)支払いが終わると、マイケル・ムーア風外科医と看護師が入ってきてあれよあれよという間に麻酔を打たれ、10分くらい放置された後で抜歯が始まりました。

 

このマイケル・ムーア風医師、物凄い力で歯を抜こうとしています。もちろん、麻酔が効いているので全く痛くはないのですが、あまりもの怪力で私の顎というか顔全体が持ち上がります。それを看護師が押さえつけ、ふんふんと抜歯すること10分。抜けました。笑

抜けてしまったらマイケル・ムーア氏はもう興味がなくなったようで、グッドジョブとかいいながら握手して退室してゆき、看護師も「ガーゼをたくさんあげるから、血が出ている間はこれを噛んでおいて。後は、今日は歯磨きとうがいはしないで。詳しいことはこの紙に書いてあるから。オツカレサマ~」と1枚ペラを渡されて終了です。何ともアッサリしたものです。

 

こうして、2日間に渡る歯痛との格闘はあっけなく幕を閉じました。

 

まとめ

  • アメリカでは、一般歯科が全てを治療してくれる訳ではない(ので、たわい回しにされて相応の手間暇がかかる事を覚悟しておく)
  • たらい回しにされる先の歯科でも、自分の保険を受け付けているのか都度確認する
  • 歯科医師に「こういう治療をしましょう」と言われる度に、「その治療はいくらかかるのか?」を確認する(先方も聞かれ慣れているので、別に嫌な顔1つしませんよ!)